2023年08月04日

2023(令和5)年 第30週
(7月24日~7月30日)

~咽頭結膜熱~ 咳エチケット、手洗いが重要

【定点把握感染症】
「咽頭結膜熱 増加続く」
 第30週の小児科・眼科定点疾患の報告数の総計は 2,173例であり、前週比 1.9%減であった。
定点あたり報告数の第1位は感染性胃腸炎で以下、ヘルパンギーナ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱、RSウイルス感染症の順で、上位5疾患の定点あたり報告数はそれぞれ 2.96、2.28、2.16、1.67、1.19である。
 感染性胃腸炎は前週比 11%増の577例で、中河内5.00、南河内4.20、大阪市南部4.06、大阪市北部3.43、三島3.31であった。
 ヘルパンギーナは26%減の444例で、南河内3.73、中河内3.05、北河内2.76である。
 A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は13%増の422例で、大阪市南部3.44、北河内3.00、南河内2.87であった。
 咽頭結膜熱は14%増の326例で、大阪市南部3.89、大阪市西部2.60、大阪市東部2.33である。
大阪市南部では2週連続で警報レベルの目安3を超えている。
 RSウイルス感染症は18%減の232例で、南河内2.67、大阪市北部2.50、大阪市西部2.30であった。

 新型コロナウイルス感染症は9%増の4,399例で定点あたり報告数は14.66である。
南河内20.74、堺市16.55、北河内16.34、大阪市南部16.00、大阪市北部15.85であった。
第20週以降11週連続で増加が続いている。年齢別では、第1位は10-19歳で16%を占めている。
60歳以上の割合は21%であった。

~腸管出血性大腸菌感染症~
 過去4年間の同時期に比較し多く発生しています。
食肉・食材の十分な加熱処理、調理器具の十分な洗浄や手洗いの励行などにより、食中毒や感染拡大の予防を徹底することが重要です。

【全数把握感染症】
「腸管出血性大腸菌感染症」
腸管出血性大腸菌感染症の原因菌は、ベロ毒素を産生する大腸菌で、代表的なものはO(オー)157、O26、O111がある。
汚染飲食物を介する経口感染がほとんどで、出血を伴う腸炎や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす場合がある。
3-5日の潜伏期をおいて、激しい腹痛を伴う頻回の水様便の後に、血便となる(出血性大腸炎)。
発熱は軽度で、多くは37℃台である。
有症者の6-7%では、発症数日後から2週間以内に、重症の溶血性尿毒症症候群を発症する。
初夏~初秋は腸管出血性大腸菌感染症の報告が増加することから、十分注意が必要である。

腸管出血性大腸菌感染症(大阪健康安全基盤研究所)
腸管出血性大腸菌感染症とは(国立感染症研究所)

【大阪府感染症情報センターより参照】
(令和5年8月3日更新)