2018年08月17日

平成30年 第32週(8月6日~8月12日)

【定点把握感染症】
「RS ウイルス感染症 今後も注意を」
第 32 週の報告の解釈には、祝日(山の日)による診療実日数と診療機関の減少を考慮する必要がある。
第 32 週の小児科定点疾患、眼科定点疾患の報告数の総計は前週比 28.9%減の 1,937 例であった。
定点あたり報告数の第1位は感染性胃腸炎で以下、RS ウイルス感染症、ヘルパンギーナ、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、手足口病で、上位5疾患の定点あたり報告数はそれぞれ 2.9、2.0、1.7、1.1、0.9 であった。
感染性胃腸炎は前週比 33%減の 567 例で、南河内 5.9、泉州 4.0、豊能 3.5、中河内 3.3 である。
RS ウイルス感染症は 5%減の 392 例で、大阪市北部 4.1、南河内 3.6、豊能 2.6、堺市・大阪市西部 2.2 であった。
ヘルパンギーナは 34%減の 332 例で、大阪市北部 3.6、北河内 3.2、大阪市西部 2.4、南河内 2.3 であった。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は 35%減の 216 例で、中河内 1.8、泉州・堺市 1.7、大阪市南部 1.1 である。
手足口病は 37%減の 181 例で、泉州 2.0、大阪市北部 1.5、北河内 1.4 であった。

【全数把握感染症】
「百日咳」
百日咳は、百日咳菌(Bordetella pertussis)による急性の気道感染症である。
潜伏期は通常 5~10 日で、かぜ様症状で始まり(カタル期)、百日咳特有の咳が出始める(痙咳期)。
新生児や乳児早期では、肺炎、脳症を合併することがある。
マクロライド系抗菌薬が有効であるが、近年国外では薬剤耐性菌も報告されている。
百日咳の予防には、ワクチン接種が有効であり、乳幼児期に計 4 回接種されている。
2018 年 1 月 1 日に小児科定点把握感染症から全数把握感染症に変更されたため、国内では乳幼児以外の報告数が増加している。

【大阪府感染症情報センターより参照】
(平成30年8月16日更新)