2022年06月03日
2022年 第21週(5月23日~5月29日)
~感染症予防の基本~
咳エチケット、手洗いが重要
【定点把握感染症】
「咽頭結膜熱 増加」
第21週の小児科・眼科定点疾患の報告数の総計は1,362例であり、前週比13.4%増であった。
定点あたり報告数の第1位は感染性胃腸炎で以下、咽頭結膜熱、RSウイルス感染症、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、突発性発しんの順で、定点あたり報告数はそれぞれ4.98、0.64、0.36、0.30、0.30である。
感染性胃腸炎は前週比11%増の981例で、南河内9.19、中河内7.05、北河内5.81、泉州5.15、三島5.12であった。
咽頭結膜熱は74%増の127例で、中河内1.10、大阪市北部1.07、北河内1.00である。
RSウイルス感染症は45%増の71例で、豊能1.13、大阪市北部0.57、南河内・大阪市西部0.50であった。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は23%減の60例で、中河内0.90、泉州0.55、北河内0.42である。
~日本紅斑熱~
大阪府では2022年、21週時点で3例の報告があり、過去4年間の同時期と比較して多い
【全数把握感染症】
「日本紅斑熱」
日本紅斑熱は、紅斑熱群リケッチアの一種 Rickettsiajaponica を起因病原体とし、野山でマダニに刺咬されることにより感染する。
媒介ダニの活動が活発化する4月~10月に発生し、特に9月、10月は多い。自然界で保菌あるいは感染する動物として、げっ歯類、野生のシカ、イノシシなどがあげられる。
潜伏期は2~8日であり、頭痛、発熱、倦怠感を伴って発症する。
発熱、発しん、刺し口が主要三徴候であるが、必ずしも、刺し口があるとは限らない。
発しんは、体幹部より四肢末端部に強く出現し、検査所見では、肝逸脱酵素の上昇、血小板の減少が認められる。
治療には、抗菌薬投与が効果的であり、第一選択薬はテトラサイクリン系の抗菌薬である。
また、ニューキノロン系抗菌薬が有効であるとの報告もある。
β-ラクタム系の抗菌薬は無効である。
大阪府では2020年に過去最多の11例の報告があった。
日本紅斑熱とは(大阪健康安全基盤研究所)
>>詳細はこちら
日本紅斑熱とは(国立感染症研究所)
>>詳細はこちら
【大阪府感染症情報センターより参照】
(令和4年6月2日更新)