2018年06月08日

平成30年 第22週(5月28日~6月3日)

【定点把握感染症】
「A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱ともに増加続く」
第 22 週の小児科定点疾患、眼科定点疾患の報告数の総計は 2,863 例であり、前週比 7.7%減であった。
定点あたり報告数の第 1 位は感染性胃腸炎で以下、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、咽頭結膜熱、突発性発しん、流行性角結膜炎の順で、上位 5 疾患の定点あたり報告数はそれぞれ 8.1、3.3、1.1、0.6、0.5 であった。
感染性胃腸炎は前週比 14%減の 1,589 例で、南河内 14.3、中河内 10.3、泉州 10.2、北河内 9.1 である。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は 6%増の 647 例で、南河内 4.7、大阪市北部 4.4、北河内 4.0、豊能 3.8 であった。
咽頭結膜熱は 7%増の 214 例で、中河内 2.6、大阪市南部 1.5、北河内 1.4 である。
流行性角結膜炎は 22%増の 28 例で、大阪市南部 1.3、南河内 1.0 であった。

【全数把握感染症】
「クロイツフェルト・ヤコブ病」
クロイツフェルト・ヤコブ病(CJD)は 100 万人に 1 人の割合で生じ、脳組織のスポンジ状変性を特徴とする疾患である。
我が国における発症年齢の平均は 62 歳であり、女性が男性よりやや多い。異常構造を有するプリオン蛋白が中枢神経系に蓄積し、不可逆的な致死性神経障害を生ずる。
初発症状は、記憶力低下、計算力低下、失見当識、行動異常などの高次機能障害であり、数ヶ月で認知障害、妄想、歩行困難に至り、1~2 年で全身衰弱、呼吸麻痺、肺炎などで死亡する。
経気道感染はないとされるが、大量に病原体を経口摂取した場合の発症が疑われている。
現在、有効な治療法はないが、実験室レベルにおいて、プリオン蛋白増殖抑制作用を有する向精神薬が見つかり、治療薬として期待されている。

【大阪府感染症情報センターより参照】
(平成30年6月7日更新)